2014/02/01 11:58:36

2月号 花粉症について



いまや,日本人の3人に1人が罹っているという花粉症,今年のスギ花粉は,当地では2月10日から20日頃より飛散し始め,昨年の半分くらいの量と想定されています.

花粉は少なめですが,中国から季節風に乗って飛んでくる黄砂やPM2.5の影響で症状が悪化することが予測されます.


■花粉症の症状

ご存知のように,くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみが主な症状となります.風邪との区別は,症状だけでは完全には難しいですが,花粉症では,くしゃみが立て続けに出る,鼻水がいつまでもさらさらのまま,鼻づまりがひどい,目のかゆみを伴うなどの傾向があります.


■花粉症の治療

忙しいからと症状を我慢していませんか.花粉症は早期治療が大切,ひどくなってからでは薬の効果が現れにくく,結果的により多くの薬が必要になってしまいます.今,主に使われている飲み薬の第二世代抗ヒスタミン薬やロイコトリエン拮抗薬,およびステロイドの点鼻薬は,花粉が飛び始めると予想された日または症状が少しでも現れた時点で使い始めるのが良いでしょう.

毎年,ひどい花粉症で悩まされている人や,妊娠を予定しているなどで薬を飲みたくない人には,流行期に入る前に鼻の粘膜にレーザーを照射して,鼻粘膜のアレルギー反応を抑え鼻づまりを防ぐ方法があります.アレルギーの原因がスギなど特定の物質に限られている場合には,治療に長期間かかり,効果の実感もなかなか得られにくいですが,全身のアレルギー反応を抑える減感作療法があります.


■減感作療法とは

アレルギーの原因となる物質を少量から徐々に増量して投与することにより,アレルギー反応を起こりにくくする治療法です.今までは注射しかありませんでしたが,今春にはスギ花粉症に対してのみですが,舐めることにより注射同様の治療効果が期待できる薬が発売される予定です.処方できるのは,専門の講習を受けた医師に限定されます.


■日常生活で気を付けること

花粉と接触しないことがなにより大切です.テレビやネットなどの花粉情報に注意し,花粉のたくさん飛んでいる日は外出を控えたり,外出時にはマスクやメガネを着用したりしましょう.コートはなるべく花粉の付きにくいものを選びましょう.

家に入る前に服に付いた花粉を振り落しましょう.手や顔を洗いうがいをして花粉を洗い流しましょう.寝る前に入浴するのもお薦めです.

洗濯物は花粉を払い落としてから取り込みましょう.ドアや窓を閉め,こまめに掃除を行い,可能なら空気清浄機を使いましょう.

睡眠を充分にとり,ストレスをため込まずに体調を整えます.タバコやお酒は控えましょう.

■この記事の配信元:久喜医院