2014/03/03 17:52:42

3月号 アルコールとの上手な付き合い方について



■適切な飲酒量とは

 1日あたり純アルコール20gまで,例えば,ビールなら500mlの中瓶1本,日本酒なら1合,酎ハイなら350ml,ウイスキーならダブル1杯までとされています.

 女性は,アルコールを分解する速度が遅く,肝臓などの臓器障害を起こしやすいため,その2/3くらいの量までにとどめておいたほうが良いでしょう.またお酒を飲むとすぐに顔が赤くなる方やご高齢の方もアルコールによる障害がでやすいため量を減らしましょう.


■アルコールによる臓器障害

 肝障害:アルコールを飲みすぎるとアルコール性の脂肪肝が起こります.さらに多量の飲酒を続けると急激に肝機能が悪化して命を落とす重症アルコール性肝炎に移行することもあります.慢性的に適度を超えた飲酒を続けると肝臓が硬くなって機能を果たさなくなる肝硬変へ,食道静脈瘤の破裂や肝不全の進行が原因で亡くなる方が多くなります.ウイルス性肝炎を合併している方では,肝臓がんの危険が増えます.

 膵炎:アルコールは胆石とともに膵炎を起こす大きな原因です.腹痛や下痢・嘔気などの症状が現れ,ひどくなると治療の難しい糖尿病になったり命にかかわったりすることもあります.

 その他:アルコールの飲みすぎは,高血圧,糖尿病,脂質異常症,痛風などの生活習慣病を引き起こし悪化させます.また,うつ病や認知症の頻度を増やし,肝臓がん,食道がん,大腸がん,乳がん,口腔・咽喉頭がんなどの原因となります.特に飲むとすぐ顔が赤くなる方やタバコを吸う方は食道がんに要注意です.


■アルコールで体を壊さないために

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・適量を守りましょう
・たまに飲む場合でも大量に飲むことは避けましょう.
・食事と一緒にゆっくり楽しんで飲みましょう.
・眠りが浅くなるので寝酒はやめましょう.
・週に2回は休肝日を設けましょう.
・入浴・運動前の飲酒はやめましょう.
・妊娠・授乳中の飲酒は避けましょう.
・肝機能検査や食道がん・大腸がん検診を定期的に行い,健康チェックをしましょう.

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■この記事の配信元:久喜医院