2014/06/30 17:59:18

7月号 エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症・肺塞栓症)について



夏休みのこの時期に遠出をされる方もいらっしゃるでしょう.飛行機や車の中など狭い空間で,長い時間足を動かすことができずに同じ姿勢を続けると,足の深いところにある静脈に血のかたまりができます.この血のかたまりの一部が血液の流れに乗って肺にたどり着き,肺の血管を詰まらせてしまうことがあります.これがエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症・肺塞栓症)です.


■コノミークラス症候群の症状

足の静脈に血のかたまりができると,おもに片方の太ももより下が,むくんだり,赤くはれたり,痛んだりします.このような症状が見られたら要注意,肺に流れてしまう前に急いで医療機関を受診しましょう.

足にできた血のかたまりが肺の血管に詰まると,胸の痛みや呼吸苦,失神などの症状が現れます.命にかかわりますので緊急に治療が必要です.


■コノミークラス症候群を予防するために

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・長い時間同じ姿勢でいないようにしましょう.
・足をマッサージする,かかとを上げ下げするなどの足の運動を意識して行いましょう.可能なら時々歩きましょう.
・脱水状態になると血のかたまりが出来やすくなります.適度に水分を補給しましょう.
・アルコールには利尿作用があるので控えましょう.
・静脈の流れを良くする深呼吸を時々おこないましょう.

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■エコノミークラス症候群になりやすい人

過去にエコノミークラス症候群を起こしたことがある,ご高齢,心筋梗塞や脳梗塞を起こした事がある,糖尿病や高血圧,脂質異常症がある,肥満,下肢静脈瘤がある,ギブスをしている,手術や骨折の直後,妊娠中または出産直後,ピルを内服している人などは特に注意が必要です.

可能ならあらかじめ弾性ストッキングを着用しましょう.


■この記事の配信元:久喜医院